核兵器廃絶、世界平和実現のためのエネルギー開発を

 (いにしえ)を想い、希望溢れる未来を拓くためにご献身の同志の皆様、

今年の夢を固め、着々と始動の準備をされていることと存じます。

私ども仲間も先月会合を持ち、年頭の抱負を語り合いました。文明の潮流は、科学(分ける)から
総合(繋ぐ、結ぶ)融合の時代へと確実に移行しています。(
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去る311日は、東北大震災から9周年の日でした。想定外の原発事故の影響は今も重く圧し掛
かっています。思えば、この間、私達ボランティア仲間は、いち早く福島放射能汚染除去の作業に加
わり、原発が電源停止の緊急事態に対して命を賭して放射能拡散を最小限に留めた吉田昌郎第1
原発事務局長等を追悼する会を重ねて来ました。(
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 去る36日からFukushima50」の映画が全国映画館で封切されています。(注3  もし彼ら
の犠牲的貢献がなければ、チェルノブイユの100倍もの放射能が拡散され、東京を含む東日本全体を覆
っていたことでしょう。(
注4) 彼らの素手でもベントした決死の努力があったればこそ、その10
分の1以下の放射能汚染で押さえられ(からくも済み)、そのお蔭で日本が救われました。当然、彼ら
の努力を讃えてしかるべきであるにも関わらず、時の民主党政権は「ヒーロー(英雄)を作ってはいけ
ない」として報道を規制しました。かてて加えて菅首相は東電を非難することに終始し、原発を導入
した政府、首相としての責任感はゼロでした。一刻を争う福島の事故現場にヘリコプターで乗り付け
た首相は各界から厳しく批難されました。当時の状況に対して玄侑先生は吉田元所長追悼会にメッセ
ージを寄せてくださいました。さすがは宗教人(福島在住の住職・芥川賞作家)だけあると感銘しま
した。(
注5) 
 「危機」に対して如何に対処すべきか? 福島原発事故は、「fukusima50」の感動的な教訓と共に、
反省すべき負の教訓を厳しく教えてくれています。危機管理の教訓は、今、流行している新型コロナ
ウイルスにしても全く、同じです。

 「原発反対」の声は左翼陣営が政争の格好の手段として利用するだけではなく、小泉元首相や村田
元スイス大使らも声を大にして反対を叫んでいます。

  しかし、大半の原子力の専門家達はこの現状を憂えています。なぜなら、天体の運行から、地殻の
マグマの熱に至るまで核融合熱であり、核融合は宇宙の究極のエネルギーの発生源あること、この究
極的なエネルギーを取り出す道を塞いでしまうことになるからです。日本が原子力開発戦線の戦線から
離脱すれば、再び復帰することは極めて難しくなるからです。人類にとって不幸であったのは、敵に打ち
勝つために、安全性を度外視して、破壊力最大の原爆製造を急いだことです。その後、この「パンドラの
箱」を開けた人類に次々と災いが降りかかって来ています。アイゼンハワー大統領時代()、原子力の平
和利用と銘打って原子力発電が推奨されました。しかしこれは「安全神話」のカバーで覆ったに過ぎない
危ない技術でした。軽水炉ウラン原発と核融合に至るまでのつなぎの原発として今、トリウム原発が注目
されています。日本でもようやく一昨年の20187月、閣議決定され、調査費も付くようになりました。

 「本当の慰霊とは何か?」我々は20108月「国際平和文化フォーラム」』に,招聘したE.カーン夫妻
を京都にご案内した折、偶然の出来ごとから実感しました。「真の慰霊とは」後孫が心から喜ぶ環境を
造成してあげることである。それを見て先祖達も「自分達の犠牲、努力も無駄でなかった」と慰安され
るということです。(注7)
我々が、吉田元所長等の慰霊に心を砕きつつ、トリウム原発を支援して
来たのはまさに、広島・長崎の原爆、福島の原発の犠牲になった方々を慰霊する環境造りのためであり
ました。

  今こそ我が国は、兵器としての原子力開発即時禁止!「世界平和のための原子力会開発」の宣言を
すべき時です。この平和宣言は、核を保有する大国にはできないことです。
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度の原子力被害(放射能汚染)にあった日本から発信することにこそ意義があります。レント
ゲンの開発にも多数の犠牲が伴いました。(原爆、原発の犠牲になった方々を慰霊するためにも、
また、)内向き志向の若者を「よし、やるぞ!」と奮い立たせるようなでかい夢、大義を、日本国
政府は、真の世界平和への道として堂々世界へ向けて発信していただきたいと念願いたしています。
注8

  2020311日    

NPO法人 未来構想戦略フォーラム/地球市民機構共同代表

                      大脇準一郎 

 --------------------------------注一覧-------------------------------------

注1)   「インターネット時代における言論人の役割は何か?」
2020年、年頭抱負を語る会 

注2)   「吉田昌郎さんを偲ぶ会」l

注3) Fukushima 50」

注4)   吉岡律夫氏の追悼メッセージ

注5)    玄侑師のメッセージ

注6)   「安全原発革命元年:熔融塩炉(MSR) 国際フォーラム)  

注7)   「国際平和文化フォーラム」
「沖縄紀行

注8)   「核廃絶を国是に!Ⅰ~Ⅳ」 20170819

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