漢江より還る』 を読んで 感想文

(井上慶子)
 第一部で一旦終わっていますが、二部、三部と続くんでしょうか?日本で、どん
な路程を歩むことになるのか楽しみです。
お母さんが亡くなってからの苦労を通して強くたくましく、人として大きな器を
持つことになりましたね。本当にドラマです。自分の置かれた環境を恨むことな
く、自分はどんな苦労をしても耐えて妹や弟の為に犠牲の道を行った、その姿に
感動しました。
 わたしでさえあまりにも健気に生きるその生き様に涙しますから、神様はもう目
を目を離せないんじゃないかと思いました。その時その時に人を通して助けられ
ている事を感じました。
 孝一さんのお父さんが元の様に立派なお父さんに戻られて本当にホッとしました。
血はつながっていなくても実の子の様に育てたところは立派だと思いました。と
にかく膨大な量でしたか 一気に読める、惹きつけられる内容でした。

(遠藤恵子)
 孝一さんが、どんなに 大変な環境でも、生きることを 放棄したり、何かのせい
にしたりしないで、本当に 一生懸命 生きているな、と感じました。それから、
当時は 実際に 孝一さんのように苦労した人が たくさんいたんだろうな、と思
いました。

(谷村仁美)
 裕福な家庭で育ちながら、母が亡くなり、家が没落、父が蒸発、という考えられ
ない状況に落ち込んだにも関わらずぐれずに曲がらずに、難しい環境のなか、自
身がまだ幼いにも関わらず弟、妹を育てる為、奔走する姿はとても立派でした。
今の時代そんなこと出来る子供達はどれだけいるでしょうか。(私にも無理です)
素晴らしい精神の持ち主だと思いました。

(田中香苗)
 孝一さんのたくましさ、難しい環境を切り開いていく強さに感動しました。本当
に生々しい歴史の中で生きていく孝一さんと家族の姿を見ながら歴史を身近に感
じ、実感することができました。
子供達に是非読ませたいです。韓国版も出版され、人々の心を揺り動かす作品と
して日韓両国で大きな話題となることを願ってやみません。翻訳に携われたこと
を心から感謝します。

(牛腸順子)
 戦争を知らない私にとって、戦争の悲惨さが描かれている場面を読みながら、そ
の時の情景が目に浮かび、胸が苦しくなりました。悲惨な環境の中でも、父母を
慕い、兄弟を守り続ける孝一さんの生き様に心打たれました。将来の自分に誓い
を立て、真っ直ぐに生き抜く姿に触れ、学ばされました。

(康恩恵)
幼い子供が成長しながら感じたことが率直に綴られていて、文章の一つ一つが心
にじわっと沁みてきます。孝一の気持ちに寄り添って一緒に喜んだり悲しんだり
しながら読みました。孝一の目を通してこの国の歴史の息遣いが感じられるよう
で、ニュースで見聞きしただけの出来事が、一気に身近なものとなりました。
壺作りのおじいさんのように情のある方がいて、朴社長のテントのような想像を
絶する世界があって、近づいただけで撲殺されるような恐ろしいデモの闘争があっ
て…韓国に17年住んでおりますが、この国のことを何も知らなかったんだなあ
と思いました。 
 私は予備知識無しにこの台本を読みましたので、11章で孝一が日本人であり、
この物語の著者だと知った時、本当にびっくりしてしまいました。これまで孝一
がおかれた境遇を思えば、恨みごとの一つも言いたくなるでしょうに、自分を兄
弟と分け隔てなく育ててくれた父母への感謝が綴られていて、驚きを覚えました。
ああ、本当の親子だったんだなあと、嬉しいような気持ちになりました。一人の
日本人が激動の渦中の韓国で、その境遇を丸ごと受け止めて、全力でぶつかって、
弟妹と共に逞しく生き抜いてきたということに感動しました。よくぞ生き抜いて
くれた!と抱きしめたい気持ちです。
 日本人であり、韓国人である一人の男性が生きてきた路程を、多くの方に知って
ほしいと思います。その感動の嵐が、今の日韓関係の難しさを全部吹き飛ばして
くれることを、私は願っています。

(三井田直子)
 戦後の混乱期、また、事情があったとはいえ日本人であった孝一さんが歩んだ道
はあまりにも悲惨なものであったことに胸が痛くなりました。と、同時に自分の
運命を力強く乗り越え、最善を尽くして生き、チャンスを掴んでいかれる姿に感
動しました。韓国にいらっしゃる機会はありませんか?ぜひ作者のナマの声をお
伺いすることが出来たらと思います。

(高橋 みずき)
 引き込まれて、一気に読んでしまいました。孝一さんが信じられないほどの理不
尽な目にあいながらも、誰を恨むこともなく、ただ運命を受け入れていく姿に驚
嘆しました。強くたくましく希望をすてず、あきらめない、そのエネルギーが、
どこからわいてくるのかと不思議に思うくらいでした。私の知らなかった激動の
韓国を感じさせて頂きました。
 実は日本人だとわかった時は本当に驚きました。そのこと自体も受け入れて、日
本語を学び、日本に渡る準備をすぐに始めたのにも感嘆しました。そして私も、
孝一さんのように、運命を受け入れながら、たくましく生きていきたいと勇気を
頂きました。

(明石 益江)
 凄まじいばかりの苦労の連続!自分に与えられた宿命を恨むことなく、堂々と立
ち向かい 、逞しく生き抜いていく孝一少年其の歩みには感銘せざるをえません。
 どんなに大変でもどん底に落ちても、希望さえ生きる価値さえ感じられない暗闇
の中、それでも歯をくいしばって生きて来た其の証!生きることの勇気、人類愛
につながる大きな意味を含んでいます。いまこそ韓日関係また世界平和を問いか
ける素晴らしい教訓となることでしょう。